「2019年11月5日」の記事

さくらニュース 19年 11月号 勇気

2019年11月5日 / さくらニュース

勇気と想像力とほんの少しのお金

これはチャップリンの言葉で、世界中で広まっている名言だそうです。正確には「人生で必要なのは勇気と想像力とほんの少しのお金」という言葉です。想像力も重要だと思いますが、ここでは勇気について考察してみたいと思います。ビジネス上で勇気はどのような場合に必要なのでしょうか。勇気とは自分が未経験のことをやってみる場合に必要なのではないでしょうか。筆者の場合だと営業マンになった時、初めての飛び込み訪問で全く見知らぬ場所の見知らぬ会社に訪問した時はかなりの勇気が必要でした。どのように断られるのか、また、どうすれば商品説明を聞いてもらえるのか。それより何より見知らぬ会社に訪問すること自体が恥ずかしかったです。これは恋愛経験にも似たような事柄ではないでしょうか。好きな女性がいて付き合いたいと思って告白するのに勇気が要りますね。なぜ勇気が必要かと言うと、断られたら恥ずかしいと思うからと言っていいのではないでしょうか。飛び込み訪問と異性に告白すること。このように現代においては勇気が必要とされるのは「恥ずかしさの克服」ではないでしょうか。これらを困難と呼ぶこともあるかと思いますが、困難はひと昔前の封建時代や北朝鮮のように命が危ないというようなことはないですね。命や体が危険でないならば恥ずかしさも困難もどうってことないのではないでしょうか。

筆者の経験からいえば飛び込み訪問の恥ずかしさは慣れてしまえば全然問題ないのです。飛び込み訪問はもう断られるのが当たり前なのです。皆さん日常の当たり前のことは恥ずかしいことではないと思いまよね。このように考えて勇気をもって新しいことにチャレンジしてみませんか。多くの場合、この恥ずかしい場面に直面することを失敗と呼ぶことが多いと思います。初回面談の失敗。これはもう何回もありましたので、時間がたつにつれ、全く恐れることはなくなりました。もう男性が女性に告白し断られる失敗、これは正直なところ、これは多くはないですが、何回かありました。このようなことを世間では「失敗を恐れぬ勇気をもって行動しよう」というと思います。柔道では最初にやる練習は「受け身」です。つまり、相手に投げられるときの練習、失敗したときの練習です。今どき、少なくともビジネスで、命や体に危害を加えられるというような場面はないと言えますので、恥ずかしさに耐えられるような心の準備をすれば失敗を恐れなくなるのではないでしょうか。具体的準備とは初回訪問に断られる想定で数種の断られ方を演じられるようなロープレをすればいいのではないでしょうか。

さくらニュース 19年 10月号 商品力と営業力

2019年11月5日 / さくらニュース

商品力と営業力

筆者はかつて産業給食弁当の会社の営業コンサルタントをしていました。その会社は工場や郊外の事務所などで社員食堂ではなく、お弁当を昼食にしているお客様に配達し、ビジネス展開をしています。多くの業種と同様に競合があり、営業マンが活動しています。その営業プロセスでは試食というイベントがあり一般的には食堂や会議室にお弁当を食べている社員が集合し試食が行われます。その場でアンケートを記入してもらいその職場でのお弁当を決定するのが一般的な営業手法です。その際重要になるのが、当然ですが美味しさと価格です。両方合わせて商品力だとします。その商品力と営業力について考えます。

どこの業界でも商品力が大きな要素を持っているなら市場を席捲できるはずです。しかし、そうはいかないのが現実です。筆者が営業コンサルに出向く前は「試食」というのは例えば、10人の職場であれば営業マンが10食分の弁当とアンケートを午前中に持参し、午後に弁当箱を回収し、担当者からアンケート結果を見せてもらい自社の弁当にしてもらえるかを聞きだす営業活動でした。このままですと美味しさと価格という商品力に頼り切った営業活動になってしまいます。この「試食」というイベントに営業力を活用しようという考え方をお伝えします。まずは、弁当箱一個毎に小さな封筒に入れる二つのメモを作りました。

一つの文章は簡単に言えば「試食と言うチャンスを与えていただき感謝申し上げます。弊社のお弁当のこだわりは…」というようなものです。もう一つのメモは営業マンの自己紹介で出身地・出身校・趣味など記載したものです。さらに食堂や会議室で召し上がるような職場では皆さんに食べる際にパンフレットを配り2-3分のご挨拶をさせていただきます。 その際にはコピーで簡単に作成できる「手品のようなもの」などをプレゼントしました。このように営業マンは試食というものは自分にとって重要なイベントなんです、という熱意を分かってもらえるような形にしたのです。このようなことが営業力です。弁当業界では競合との商品力がほぼ五分五分なのであれば30%が自社派30%が他社派、40%がどちらともいえない、というようなものです。ですから、どちらともいえないグループの40%を少しでも自社派にすればアンケート上で自社有利に導けます。この手法を用いてからは試食成功率は55%から80%に跳ね上がりました。このお弁当営業では複数の社員のアンケートという分かりやすい説明をしましたが、営業相手が個人相手の商品であっても心の中は自社のAか競合のBかの決心がふらついているものです。そこを工夫して営業力を使って勝つのです。