さくらニュース 18年 8月号 ハインリッヒの法則

2018年8月27日 / さくらニュース

ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則とは一人の事故死が出る職場では29人のけが人が出ており、さらに300件の「ヒヤリハット事故」(けがなどにはならないが危険な事故)があるというものです。逆に言うと「ヒヤリハット事故」をできるだけ少なくすればけがや死者を出す事故を防ぐことができるわけです。

建設業界では安全分野での大きな常識となっています。工事現場で「安全第一」のスローガンが良く掲示されていますが、品質や効率よりも優先するので、安全が第一、トランプ大統領の「アメリカンファースト」ではなく「セフティーファースト」なのです。これを参考に運転手の多い企業では「ヒヤリハット」を急ブレーキ・急ハンドルと考え、これを防げば大小の交通事故が防げるはずという考えを持っています。この考え方を建設や運転の二つの仕事以外にも取り入れてみませんか?

例えば、営業や店頭販売にもということです。クレームについて考えてみましょう。大クレームは個人はもちろんチームや会社にとっても大きな金銭的損失、メンタル的な損失です。大クレームではなく、通常のクレームでもそれなりの損失が出ます。大クレームと通常のクレームとはお客様からの通知があってのことと定義したとすれば、潜在的クレームもあります。お客様はクレームは言わないものの心の中では「もうこの店には来ないぞ」と思われてしまうクレームです。これを防げば大クレームや通常クレームも防ぐことができるでしょう。

つまり前述の「ヒヤリハット」です。それをどうすれば察知できるか? 一般的にアンケートがその手段の一つです。ただ、小規模企業でアンケートなどやったことのない会社では、いきなりアンケートと言っても簡単には書いてくれません。よって、書いてくれたお客様にお礼の品などを差し上げるとよいでしょう。併せてその他の対策も考えましょう。例えば、クレームを言ってくれたお客様を重要視し、潜在クレームを言ってくれるよう促すのです。実際にこんな例もあります。レストランで異物混入のクレームを申し出たお客様に、「当店ではクレームを言ってくださったお客様には住所などをご記入いただいております」と言って店長がクレーム報告を記入。そして別にご自宅を訪問しお詫びの粗品などを持参します。そこでお詫びをしたのちに「弊社では顧客満足を重視しており、できるだけクレームの無い運営を心掛けています。つきましては言葉には出さないような小さなクレームであっても、今後どうか店長に申し出ていただければ有り難いのです」と。クレームの顧客を優良顧客にしてしまうのです。このような手法をとるかどうか別にしてハインリッヒの法則を重視して潜在クレームを見つけ顧客満足重視の経営を目指していきましょう。