さくらニュース 19年  12月号 やる気ある人から順番に

2019年12月16日 / さくらニュース

やる気ある人から育成を

組織の中でも優秀な人とそうでない人がいるのが普通です。テーマの「やる気…」を営業部門での例でご説明します。普通リーダーは実績が劣る人Bさんに着目しその人の実績を引き上げようと頑張るのが普通だと思います。しかしながら、それは徒労に終わることが多いようです。リーダーからすればBさんを引き上げれば自分のチーム全体の実績が上がると考えます。ところがBさんからすると「俺がだめだからリーダーが怒っている」と考えているケースが多いのです。Bさんは劣等感を持っているので変わること、成長することは簡単にはできにくいのです。それよりもいい手があります。チームの中でやる気ある人から順番に関わるという手法です。例えば、芸能界ではタレントを街中でスカウトする場合もあるようですが、公開オーディションを行いスカウトすることが多くあります。それで成功するタレントが多くいます。当然公開オーディションに応募するような人はやる気のある人と考えられます。その人はやる気があるので教えられることは覚えよう、行動しようと思うでしょう。やる気があるのかどうか分からない人を成長させるよりやる気ある人の方が簡単でしょう。また、一般的に低実績の社員を成長させる具体策は叱ることと同義語になっていることが多くマイナス言葉がチーム内で多く使われることが多くなりチーム内のモチベーションも上がりません。その点やる気ある人Aさんへの指導は叱るというような雰囲気にはなりにくくチーム内のモチベーションを下げるようなことにはなりにくいでしょう。

同じエネルギーをかけるなら伸びそうなAさんにかけたほうがいいと思いませんか。決してBさんを放っておくというのではなく、Aさんを重点的に指導するという方法です。筆者はあるお寺の和尚さんの説法を聞いたことがあります。お寺の池にはよく蓮(はす)の花が咲いていますが、お釈迦様は池の底の方の蓮の花を咲かそうとするのではなく、もうすぐ水面に出てきそうな花に手をかけ、咲かそうとするのだそうです。花が咲くというのは人間でいえば「悟り」を開くということです。伸びようとしている人、伸ばしやすい人から関わってゆくのです。Bさんタイプの人に手をかけないのではなく、後回しにするということです。そしてチーム全体が伸びてゆくとBさんタイプの人もチーム全体の雰囲気に飲まれます。Bさん自身が「このままの低実績ではまずいなあ、なんとかしなくちゃいけない」とモチベーションが上がったタイミングでリーダーが関わればいいのです。その他のことでもやりやすいことから始めるのがいいでしょう。