さくらニュース 21年 9月号 心を込める

2021年9月29日 / さくらニュース

心を込めるということ

「心を込めて…」と口にすることがありますが、心を込めるとはどういうことでしょうか、考えてみたいと思います。ビジネスにおいてもこれは重要なことだと考えられますので考察していきましょう。受注だと「心を込めて感謝する」。クレームだと「心を込めてお詫びする」。「心を込めて真意を伝える」などと言いますが、どのようにすれば「心を込められる」のでしょうか。

心を込めるという場合その真逆の意味は、心がこもっていない=口だけ・上っ面、と言うようなことであり、当然いい意味ではありません。

そうならないためには、心を込め、真意を伝えられるようにしなければなりません。

心のこもった真意を伝えるためには、まず「形」を重視しなければなりません。形と言うのは平たく言えば外観です。なんのかんのと言っても人は他者の心の中は読めません。他者の姿勢や言葉などの外観を見て心の中を推察しているわけです。素晴らしい贈り物でも包装紙が新聞紙だったら中身は良いものには見えないでしょう。したがってまずは目に見えるところを重視し、心がこもっている外見にする必要があります。例えば、感謝をする場合、腰を曲げないで、簡単に頭をちょこんと下げて「有り難うございました」と言っても他者から見て、あまり心がこもっていないように映ります。同様にクレーム処理で謝罪する場合でも同じでしょう。ということで、心を込めることは第三者がみても外見で心がこもったように見えること、深く丁寧にお辞儀をするのが第一です。丁寧と言うのはここでは素早くというのはよくありません。ゆっくりとお辞儀をするべきでしょう。感謝とクレームについてのお辞儀をお伝えしましたが、このような「形」から入るようにすれば自分の心もこもったようになります。実際に浅く素早いお辞儀と深くゆっくりとしたお辞儀をして心の状態を比べてみて下さい。形を作ることによって自分の心の状態が変わってくることを実感できると思います。この他、感謝や謝罪(謝罪はスピード感を重視)を伝えるのに口頭、電話・メール、訪問面談、手書きの手紙など伝達手段によっても心を込める度合いが違って感じられます。さらには感謝や謝罪に品物を添えることも心を込めたという感じに影響がありますので、品物の選択、場合によっては包装紙も大変重要なことになってきます。実際に筆者の経験でも謝罪されたときに、あまりにも簡単な品物を持参され、バカにされたように思ったことがあり、二度とこの会社とは取引しないと決めたこともありました。