さくらニュース 16年 1月号 素直な心
2016年10月13日 / さくらニュース
素直な心と積極性でいい人生になる
「素直な心」というのは故松下幸之助氏(松下電器・現パナソニック創業者)も非常に重要な人間の資質であると多くの著書にも書かれていることです。「素直な心」というと何か従順でおとなしいというイメージが先行すると思いますが、決してそういうことではありません。むしろ積極的な考え方です。なぜならば、例えば何かを他者からアドバイスをされた時に、それが自分は知らなかった、あるいは気付かなかった事だとしたときに、素直に受け入れてみるということです。多くの人はそうした時にいろいろな理由をつけて受け入れないことが多いようです。その理由とは行動する前に「私にはできない」「そんな能力はない」「恥ずかしい」「忙しくて時間がない」「お金がない」等々いろいろです。実行する前に実行できない理由づけをするのです。意識的、無意識的に否定的に考えてしまいます。ある時、筆者がセミナーで人の話を良く聴くロールプレイ(積極的傾聴法)を行った最後に「是非職場ですぐに実行してきてみてください」と伝えました。その時の研修後のアンケートでは「他者の話をよく聴くことの重要性やその難しさをよく理解できました。すぐに実行したいと思います」などと多くの受講者が書いていたのです。しかしながら一ヶ月後の次の研修の機会に「積極的傾聴法を実際にやってきた人挙手してください」と言ってみると挙手した人は15%ぐらいだった事があります。なぜ、実行しなかったかその理由を聞くと前述のような言葉でした。そうした事があった後、筆者はフォロー研修がある場合には次のような対策を打ちました。「次の研修では傾聴法の実施状況の報告をしてもらうので一週間以内に他者と個別に機会を作り、その結果を報告書にしてください。以下がそのフォームです」と。フォロー研修が計画されないスポットの研修では研修事務局に前述のフォームを渡し「事務局で収集し実行度を高めてください」とお願いしました。ここまでやるとようやく実施度が高まります。 そしてこのようなことを一度体験すると自分自身に自信がつきます。以上のような事は他者から管理されてやることですが、逆にここまでやらなくても自己管理でいいことは実行すべきでしょう。それが主体的に生きるということだと思います。もし、ここで本当に「素直な心」を持つ重要性が理解できたらお勧めしたいことは即行動することです。人間は残念ながら「うーん。なるほどよく分かった」と思っていても時間が経過すると感動したこと納得したことでも忘れるものです。即行動するためには手帳の行動計画に書いたり、パソコンの画面のわきにポストイットでメモを張り付けたりするといいでしょう。是非「素直な心」を持ちましょう。