さくらニュース 16年 3月号  全国平均  

2016年10月13日 / さくらニュース

全国平均などにとらわれるな

 

いろいろな販売のデータ例、車、住宅販売、生命保険等々、全国の市場順位が発表されます。長年生命保険の業界では1位だった日本生命から2015年春、第一生命が1位になりました。(その後M&Aで順位が再逆転)第一生命として1位は悲願だったでしょうから喜びに浸ったことでしょう。生保業界で長年1位は日本生命、2位は第一生命でしたが、その間でも宮城県では第一生命がトップだったとのことです。同様に以前から車の販売では1位はトヨタ、2位日産というのが長年の常識でした。しかしながら秋田県ではトヨタと日産が交互にトップ争いをしていた時期があったそうです。滋賀ダイハツは滋賀県で自動車の販売台数がトヨタ日産を押さえて同県内で長年トップだそうです。筆者が20数年前在籍していた宮城県のコピー機販売業界でも同様のことがありました。全国では富士ゼロックス、リコー、キャノンの3社で全国シェアー(市場占有率)の約80%程度を占めていました。4位以下のシャープ、ミノルタ(現在はコニカミノルタ)、ミタ(現在は京セラミタ)、東芝などが残りの約20%を分けていたという状況でした。つまり4位以下のシェア3%-7%のメーカーがトップになることなど不可能と思えたのです。しかしながら、宮城県の当時の涌谷町、栗駒町ではミタがシェアトップだったのです。全国でのトップシェアクラスのブランドと一桁違うのに地元ではトップであるということは大きな驚きです。何か大きな理由があるはずです。筆者の知っている情報だけでもこのような地域の情報があるのですからより多くの業界や地域でもあることだと思います。これらの地元のシェアトップの企業が他地域とは異なる状況で共通している事とはなんでしょうか? それはその地域のその商品を扱うトップの意思が強いかどうかということです。全国平均では2位以下の商品であってもその地域の経営者の意思でトップになることができます。前述の宮城県の涌谷町(人口17000人2015年現在)という非常に小さなコピー機販売の会社では社長一人で営業していたようなものです。ですから、普通の販売会社の一人の営業マンであっても自分の担当地域ではトップになることは可能だということができます。ナポレオンの格言に「一頭のライオンに率いられた百匹の羊の群れは、一匹の羊に率いられた百頭のライオンの群れにまさる」という格言があります。つまり部下がごく普通の能力の集団であってもリーダーがトップになるのだという強い意志を持ち、トップになれると信じることが重要だと思います。また、個人の営業マンであっても特定の小さな市場でトップになるのだという意思さえあれば、トップになることは可能だということが事実で示されていると思います。