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さくらニュース 16年 4月号  仕事は憂鬱か

2016年10月13日 / さくらニュース

仕事は楽しいか憂鬱(ゆううつ)か?

 

「憂鬱でなければ仕事じゃない」(見城徹氏著)この本は何年か前にベストセラーになりました。仕事は楽しくすべきだ、という風潮の中で逆のことを言っています。ただ筆者は表裏一体のものという感じがします。そもそもレベルの高い仕事は簡単ではなく、自分にとって簡単ではない仕事はうまくいかないのが普通です。仕事がうまくいかない時は憂鬱になります。憂鬱というのは、例えばクレーム処理や営業マンでいえば目標達成が困難な状況。他にも、納期に間に合いそうもない仕事をやっているときなどです。本の著者見城氏はこのような状況のときに読者を勇気づける本だと言っており、筆者も同意見です。困難な状況があるのは仕事として当たり前ですから憂鬱になります。そこから逃げずに立ち向かっていこう、ということです。誰だって困難な状況の中で頑張っていますよ、ということなので勇気が湧いてくると思いませんか。ただ、困難な状況を楽しくするにはどうしたらいいのかが重要ですね。あるコールセンターの話ですが、難しいクレーム処理を専門に行う特命チームがあるそうです。そのチームの人たちの手当ては一般の社員よりほんの少し良いだけで、その困難さに比べると手当ては割に合わない仕事だそうです。それでも社内公募すると応募者は出てきます。なぜだと思いますか?結論から言うとそれは仕事のやりがいということです。困難なクレーム処理は一般担当者から前述の特命グループ社員に交替します。その際の会話は社員教育のために室内のスピーカーで流され生の音声で他の社員と会話の状況を共有します。困難なクレーム対応は長時間になります。他の社員が長時間聞いていて、トイレや休憩に行き、帰ってきても、まだ延々と対応していることも多いそうです。しかし、最後にお客様が「よく分かった。納得した」と了解してくれて、電話が切られたときにはまわりの社員はスピーカーで聞いているので「良くやった」という意味で大きな拍手でたたえるそうです。そうした達成感が特命チームのやりがいだそうです。このようにスピーカーで流れている話を聞いた社員が感動し特命チームを希望することも多いそうです。筆者はこの具体的な話を聞く前は「ええ!なんでそのクレーム対応の仕事に希望する人がいるの?」と思いましたが、その話を聞いて納得しました。本当にどんな仕事でも意味あることですし、やりがいもあるんだなと思いました。困難な状況を乗り越えた時に人間的成長があるのですね。人には成長の欲求という欲もあるので、憂鬱という嫌な状況も前向きに受け入れるといいことがあるでしょう。

 

さくらニュース 16年 3月号  全国平均  

2016年10月13日 / さくらニュース

全国平均などにとらわれるな

 

いろいろな販売のデータ例、車、住宅販売、生命保険等々、全国の市場順位が発表されます。長年生命保険の業界では1位だった日本生命から2015年春、第一生命が1位になりました。(その後M&Aで順位が再逆転)第一生命として1位は悲願だったでしょうから喜びに浸ったことでしょう。生保業界で長年1位は日本生命、2位は第一生命でしたが、その間でも宮城県では第一生命がトップだったとのことです。同様に以前から車の販売では1位はトヨタ、2位日産というのが長年の常識でした。しかしながら秋田県ではトヨタと日産が交互にトップ争いをしていた時期があったそうです。滋賀ダイハツは滋賀県で自動車の販売台数がトヨタ日産を押さえて同県内で長年トップだそうです。筆者が20数年前在籍していた宮城県のコピー機販売業界でも同様のことがありました。全国では富士ゼロックス、リコー、キャノンの3社で全国シェアー(市場占有率)の約80%程度を占めていました。4位以下のシャープ、ミノルタ(現在はコニカミノルタ)、ミタ(現在は京セラミタ)、東芝などが残りの約20%を分けていたという状況でした。つまり4位以下のシェア3%-7%のメーカーがトップになることなど不可能と思えたのです。しかしながら、宮城県の当時の涌谷町、栗駒町ではミタがシェアトップだったのです。全国でのトップシェアクラスのブランドと一桁違うのに地元ではトップであるということは大きな驚きです。何か大きな理由があるはずです。筆者の知っている情報だけでもこのような地域の情報があるのですからより多くの業界や地域でもあることだと思います。これらの地元のシェアトップの企業が他地域とは異なる状況で共通している事とはなんでしょうか? それはその地域のその商品を扱うトップの意思が強いかどうかということです。全国平均では2位以下の商品であってもその地域の経営者の意思でトップになることができます。前述の宮城県の涌谷町(人口17000人2015年現在)という非常に小さなコピー機販売の会社では社長一人で営業していたようなものです。ですから、普通の販売会社の一人の営業マンであっても自分の担当地域ではトップになることは可能だということができます。ナポレオンの格言に「一頭のライオンに率いられた百匹の羊の群れは、一匹の羊に率いられた百頭のライオンの群れにまさる」という格言があります。つまり部下がごく普通の能力の集団であってもリーダーがトップになるのだという強い意志を持ち、トップになれると信じることが重要だと思います。また、個人の営業マンであっても特定の小さな市場でトップになるのだという意思さえあれば、トップになることは可能だということが事実で示されていると思います。

 

 

さくらニュース 16年 2月号  とにかくやってみよう

2016年10月13日 / さくらニュース

やってみることが重要

 
何か新しいことを始める際になかなかスタート しない人がいます。始める前にいろいろ考えすぎてスタートできないのです。こんなことしたらお客様はから嫌われてしまうのではないだろうか?下品に感じられるのでは?など勝手に憶測し動かないのです。慎重さも重要ですが、新しくやることは憶測で考えても結果はどうなるか分からないことが多いものです。例えば新製品の市場調査です。その昔電卓が無かった時代に電卓の市場調査をしました。個人向け電卓(6ケタ)はいくらだったら購入しますか、との質問に10,000円以下なら購入という回答が圧倒的だったことがありました。しかしながらそれでは採算に合わないので、その商品を12,800円で売り出しました。市場調査結果より大幅アップの価格でも爆発的に売れました。逆のケースもあります。ある商品で市場調査では20,000円なら購入するという結果が出たので20,000円という価格にしたがほとんど売れなかったというようにです。消費者の実際の購買行動は商品を見て触って価格をどのように感じるかが重要です。実際に売ってみないと分からないことが多いのです。このようにあれこれ考える前にやってみることを重要視すべきです。考えるだけでは何も始まらない、動いてみないと結果が出ないということです。事前準備の慎重さは大切ですが、ある程度の準備ができたらテスト的にトライしてみることです。その結果失敗だったら別の方法を考えてみる。そういう試行錯誤によって正解が出ると思います。筆者の経験に照らし合わせてみるとサラリーマン時代に自社の特約店向けに営業に関する営業情報レターを毎月発行するようにしました。これも考えすぎるタイプの人は「自分みたいな若造が偉そうに思われるのではないか?理解しやすい文章が書けるのか?」と思っていると次のような行動になってしまいます。もう少し経験を積んでから始めよう。文章が上手になってから始めようなどということです。筆者はその時は普通の人の準備が100点とするとまだ50点というような時点で営業情報レターのスタートを切りました。この50点の時点で始めるメリットは営業レターを発行しているうちにその経験自体で文章力が成長しました。さらには自分の経験だけではなく、より多くの本や雑誌を読み情報収集し教養も広がったと思います。さらには特約店さんから「役に立つ情報を感謝しています。あの情報で勇気をもらっています」など感謝の言葉をいただき、筆者の自信にもなりました。現在この文章を書いているのもそのときの経験が生きたと言えます。あのときにスタートしていなければ、その後のビジネス雑誌への連載、自著の出版もなかったと思います。考えるだけではなく、実際に動き出すことは非常に重要な意味があると思います。

さくらニュース 16年 1月号  素直な心

2016年10月13日 / さくらニュース

素直な心と積極性でいい人生になる

 
「素直な心」というのは故松下幸之助氏(松下電器・現パナソニック創業者)も非常に重要な人間の資質であると多くの著書にも書かれていることです。「素直な心」というと何か従順でおとなしいというイメージが先行すると思いますが、決してそういうことではありません。むしろ積極的な考え方です。なぜならば、例えば何かを他者からアドバイスをされた時に、それが自分は知らなかった、あるいは気付かなかった事だとしたときに、素直に受け入れてみるということです。多くの人はそうした時にいろいろな理由をつけて受け入れないことが多いようです。その理由とは行動する前に「私にはできない」「そんな能力はない」「恥ずかしい」「忙しくて時間がない」「お金がない」等々いろいろです。実行する前に実行できない理由づけをするのです。意識的、無意識的に否定的に考えてしまいます。ある時、筆者がセミナーで人の話を良く聴くロールプレイ(積極的傾聴法)を行った最後に「是非職場ですぐに実行してきてみてください」と伝えました。その時の研修後のアンケートでは「他者の話をよく聴くことの重要性やその難しさをよく理解できました。すぐに実行したいと思います」などと多くの受講者が書いていたのです。しかしながら一ヶ月後の次の研修の機会に「積極的傾聴法を実際にやってきた人挙手してください」と言ってみると挙手した人は15%ぐらいだった事があります。なぜ、実行しなかったかその理由を聞くと前述のような言葉でした。そうした事があった後、筆者はフォロー研修がある場合には次のような対策を打ちました。「次の研修では傾聴法の実施状況の報告をしてもらうので一週間以内に他者と個別に機会を作り、その結果を報告書にしてください。以下がそのフォームです」と。フォロー研修が計画されないスポットの研修では研修事務局に前述のフォームを渡し「事務局で収集し実行度を高めてください」とお願いしました。ここまでやるとようやく実施度が高まります。 そしてこのようなことを一度体験すると自分自身に自信がつきます。以上のような事は他者から管理されてやることですが、逆にここまでやらなくても自己管理でいいことは実行すべきでしょう。それが主体的に生きるということだと思います。もし、ここで本当に「素直な心」を持つ重要性が理解できたらお勧めしたいことは即行動することです。人間は残念ながら「うーん。なるほどよく分かった」と思っていても時間が経過すると感動したこと納得したことでも忘れるものです。即行動するためには手帳の行動計画に書いたり、パソコンの画面のわきにポストイットでメモを張り付けたりするといいでしょう。是非「素直な心」を持ちましょう。

さくらニュース 15年 12月号

2016年10月13日 / さくらニュース

感動すること・させること

 

人を動かすポイントで悩んでいる営業マンやリーダーは多いと思います。「感動とは感じて動く」と書きます。だから「理屈で動く理動という言葉はないんだなあ」という格言は相田みつを氏の言葉です。では、どうしたら感動させることができるのでしょうか。それにはまず、自分がどういう時に感動したかを思い出すと良いと思います。

 
一般的には他者の素晴らしい行動や、美術作品を見た時、動物が感動するような行動をしたときがその一つ。つまり、他者の行動などに影響を受けた時といっていいでしょう。もう一つは自分に関する特別な物や情報などを受けた時といえると思います。前者は映画・読書・観劇・芸術・他者の行動などではないかと思います。

 
後者は他者から自分へのプレゼントだと思います。人は誰でも自分のことを大切にしたいと思っています。ですから、その相手を大切にする行動をとると相手は嬉しくなり感動します。別な言葉でいうと他者に重要感・存在感を与えることです。この重要感・存在感が他者に感動を与えるヒントがあると思います。筆者自身の体験ですが、遠くの友人が結婚し、夫婦で私を訪ねてきてくれました。筆者は双方の夫婦でランチを食べるためにレストランを予約。その際お店側から「何かのお祝いですか?」と質問があり「友人の結婚のお祝いです」と答えると、当日はウエルカムボードに「OO様ご夫妻ご結婚おめでとうございます」と書かれており、その後ウエイトレスが4人で並んだ写真を撮ってくれプレゼントされました。

 

ある美容室では初めて来店されたお客様にカルテを作成するので住所をお聞きします。その後ご来店の御礼のハガキを差し上げます。その際手書きの筆ペンで御礼の文章プラス「OO様のお話はお子様の育て方でプラスの言葉を重要視して怒らないように育てるということが勉強になりました」というようなことを書きます。それは誰にでも通用する単なる来店御礼の文章ではなく、そのお客様にしか通用しない文章を書くのが特徴です。当然誕生日にはバースデーカードを贈りますが、その際も例えば「いつもOO様のテニスの話には引き込まれて仕事が趣味のように楽しくなりとても感謝しております」などと書きます。バースデーカードを出すお店はありますが単に「お誕生日おめでとうございます。前後2週間は特別サービスOOを提供……」という誰にでも通用するメッセージが多い中、その人向けだけのメッセージが重要です。このようにするとお客様に喜ばれるので、リピーターが多くなり繁盛店にすることができます。ポイントはその人だけを重要視していますと言うことをメッセージなりで表現することです。

さくらニュース 15年 11月号  言葉づかい

2016年10月13日 / さくらニュース

「気になる言葉使い」

 

日本語は中国人に聞いても敬語などの使い方が難しいらしい。自分を意味する言葉だけでも思いつくだけで私(わたくし)(わたし)、僕、俺、自分、おいら、我、まだまだあると思います。このことは文化が進んでいるからだと思います。進んでいる文化人なのですから、ちゃんと使い分けができるようにしてもらいたいものです。一般に新入社員教育で自分を指す言葉を「私(わたくし)」と最初に学習します。レベルの高い会社の社員もビジネスの場では私と言います。ところが何冊も本を出版しているようなビジネス関連の講師がコミュニケーション研修用DVDで「僕」と言っていました。ビックリしました。話している講師がその立場、つまりコミュニケーションを教える人が「僕」というのはさすがにまずいだろうと思います。一般に新入社員教育のビジネスマナーでは「僕」ではなく「私」と教えているのです。他に気になる言葉づかいは「ご注文のハンバーグになります」「…レシートになります」という話し方です。タレントのタモリさんも言っていましたが、「なります」というのは何かから他の何かに変化することが「…になります」なのです。例えば「ご覧ください。卵がハンバーグになります(ギャグです)」というように。この場合の言葉は「ご注文のハンバーグです」で良いのです。「僕」も「…になります」も気にしない人が多いとは思いますが、筆者やタモリさんのように気にする人がいることは事実です。中高年に気にする人が多いようです。普通に「…です」を気にする人はいないと思いますので、できるだけよい感じを与えた方がいいと思います。もちろんプライベートで友人同士ではかまわないのです。

 

他に中高年者が気になるのは前回もお伝えした「少々お待ちください」(お客様に対して電話や受付で)という言い方です。この言い方は丁寧ですが命令形です。お客さまに対して命令するのは避けるべきです。「すぐに取り次ぎます」「すぐに呼んでまいります」です。この言い方であれば命令形ではなく自分のほうで動くという言い方なので相手を敬う言葉です。レベルの高いレストランなどではこれらの言葉遣いに気をつけて教育しています。さらには「見れる」「食べれる」などの言い方(いわゆる“ら”抜き言葉)も教養がイマイチに感じられます。正しい日本語は「見られる」あるいは「見ることができる」「食べられる」あるいは「食べることができる」です。ご紹介したマナー違反言葉はいずれも若い人はほとんど気づかずに使っています。年配の方々には気になっている方は多いので管理職や中高年の先輩ビジネスマンたちは部下や後輩に基本的に正しいビジネス用語を使えるようにしたいものです。

さくらニュース 15年 10月号  仕事はすぐやる

2016年10月13日 / さくらニュース

先日筆者の顧問先で次のようなことがありました。

 

Bさんが外出しようとしたところに、彼の上司Aさんが次のようにいって会議室に入りました。「B君、出かける前に3分ほど打ち合わせしたいことがあるんだ。ちょっとだけ、会議室に来てくれ」 Bさんは「はい、分かりました」と返事をしましたが、カバンの中に必要なものを入れるとか、メモするなど、上司との打ち合わせが終わったら出かけられる準備をしていたようです。 その準備に2、3分はかかっていました。 上司Aさんは、すぐに会議室に来ないBさんにイライラして言いました。 「3分程度の話なのだから、先に打ち合わせを終えてから、外出の準備をすればいいだろ。言われたことはすぐやれ!」 その光景を見ていた筆者も上司Aさんと同じことを思いました。仕事のできる人は相手を待たせないようにします。 他の例で言えば、電話になかなか出ない会社はイライラします。 お店のカウンターなどで長時間待たされるとイライラします。社内でも依頼した事をすぐやる人に仕事を依頼したくなります。だから、依頼されやすい人はどんどん育っていきます。また、すぐやる人は、仕事の優先順位が良く分かる人であり、そういう人はテキパキと仕事するようになるのです。そういう人は、同じ時間で多くのことをこなすようになり「仕事のできる人」と言われるようになります。そういう意味で、お店でも電話でも、お客様にお待ちいただく場合の挨拶用語は、次のようにしたほうが良いでしょう。「お待ちください」ではなく「すぐにとりかかります」「すぐお持ちします」「すぐ、お調べします」と。

 

考えてみましょう。「お待ちください」はお客様への命令形です。それ以外の「すぐ…」は自分の方から動く言葉です。ですから、二つには大きな違いがあります。実際に感じのよいお店や会社は「すぐに…」、この言い方が多くなっています。筆者がお店に行って、同じ時間待たされたとしても、後者の受け答え「すぐに…」という返事のほうが良い感じがします。また、実際にすぐにできるようにいろいろな準備もしておくようにすると良いでしょう。例えばショールームなどでお客様から時々依頼される資料などは事務所やバックヤードに行かなくても出せるようなところに準備しておく。それはショウルームのカタログラックの一部にしまっておくなどのことです。そうした点、進んでいる会社では営業マンがタブレット端末を持ち、それにいろいろなデータや説明文書を入れているので、お客様の要望に沿った資料をすぐに取り出し説明できる。このような工夫も多くなっています。中には「私はステップを踏まないと動けないタイプなんで…」などと言い訳をする人がいます。そうしているとお客様が逃げてしまいます。ドラッグストア「マツモトキヨシ」の創業者は元松戸市長で「すぐやる課」を創設し大人気の市長でした。

さくらニュース 15年 9月号  因果応報

2016年10月13日 / さくらニュース

原因と結果(因果応報)ということ

 

タイトルの(因果応報)というのは仏教の言葉です。仏教は意外と科学的だと言われています。それはこの言葉が影響していると思います。物事には原因があるから結果があるということ。ですから非常に納得がいくと思いませんか?良い悪いは別としてキリスト教では奇跡ということをよく言います。奇跡とはありえないことが起きるようなことですから、両宗教はこのあたりの考え方は違っている部分かも知れません。

 

京セラの創業者、携帯電話KDDIの元社長でJALを再建した稲盛和夫氏は仏教の信者で出家された方です。その稲盛氏も講演で因果応報のことを言っておられます。良いことをすれば良い結 果が出て、悪いことをすれば悪い結果がでるのだと。ただ、それにはタイムラグ(時間差)があるのですよと……。このことをビジネスに例えてみましょう。親切な車の営業マンA氏が、路上で車 が故障して困っている人B氏を発見しました。見知らぬ人でしたがA氏は声をかけ、車を止めて見てあげ、簡単な故障でしたので無料で直してあげました。彼は帰り際に挨拶をし自分の名刺を渡し ました。「よろしかったらお暇な時にでもショールームにご来店ください」と言って…。それからしばらくし、B氏は車を買い替える際にA氏から購入しました。そこまでうまくいかなくても最近 は車の営業マンも車検の入庫が実績として評価されるようになったので、そのような親切をされれば車検ぐらいはA氏を通して依頼するでしょう。 しかし、このような良い事ことをしてもこのストーリーのような見返りがある可能性は少ないでしょう。A氏はもともと100%の見返りを求めてやっている訳ではありません。このような恩返しをしてくれる人ばかりではありませんから。また、仮に 親切をした結果、その恩返しのように車が売れたり、車検を依頼してくれたりしてもそれは数か月後から数年後だったりします。このように良いことをしてもタイムラグがあるのが一般的です。そ れでも良い原因を作れば良い結果が出る確率は間違いなく高まるでしょう。逆に悪いことをすれば悪い結果が出るのが一般的です。悪いとは犯罪だけではなく、約束を守らないことなどは信用を失 います。例えばビジネスでは約束の納期を守らなければ、次回からの仕事に悪影響が出るでしょう。 プライベートでも意地悪をすれば意地悪でお返しがあり、友人仲間での評判も悪くなります。良い事と同じように悪いこともタイムラグがあります。是非、見返りを求めないで良いことを、つま り良い原因を作って行きましょう。仮にそれで良い結果が出てくるのが遅くても、良い行動自体が人生を楽しくしてくれるはずですから。

さくらニュース 15年 8月号 習慣

2016年10月12日 / さくらニュース

CDを聞く習慣が能力を作る

 

もう何年も前から書店のビジネス書のコーナーに習慣という本が並び、そのうち何冊かはベストセラーになっているのをご存知でしょうか。

 

例えば「7つの習慣」「早起きで…する習慣」

 

「たった…で…できる習慣」等々です。では、なぜこの習慣が大事なのでしょうか。習慣とは辞書によれば、長い間繰り返し行われていて,そうすることが決まりのようになっている事柄。また繰り返し行うこと。とあります。筆者なりに別な言い方をすれば「それをしなければ気持ち悪い事」と言うことになります。例えば、毎日お風呂に入ること、同様に歯を磨く、洗面するなどです。他にも、日記をつける人は一日の終わりに日記を書くこともそうでしょう。

 

それらの習慣がない人にとってはそれを行っている人は大変な努力家であると思うのではないでしょうか。しかしながら、習慣化している人にとっては、全くと言っていいほど努力とは思っていないことでしょう。筆者のこの文章を読んでいる人のほとんどは前述した毎日の歯磨き、洗面、入浴は習慣になっていることだと思います。それは自分で努力していると感じる事でしょうか、違いますね。ですから、習慣とは努力なしで身に着けられる能力と言うことができるのです。たった一つ重要なことはその習慣を身に着けたいと思う意欲だけです。この意欲を習慣で身に着けられる方法もありますが、それは別の機会にして、いくつかの能力を身につける意外に知られていない習慣をご紹介します。

 

その一例としてお勧めしたいのが、CDを聞く習慣です。例えば、ある人が何かの資格を取りたいと思っているとします。その人は資格を取るために個人の時間をとり、普通は自宅で勉強をするでしょう。しかしこのCDを聞いて勉強する方法は、通勤に電車や車を利用している、あるいは仕事で社用車で配送や営業をしている人にはうってつけです。通勤電車や車を運転しながらCDを聞いて勉強になり能力を身に着けることができるのですから。各資格試験別にその勉強のCDが販売されているものもあります。是非ネットなどで調べてみていただきたいと思います。また、そのような類のCDが販売されていなければ自分で録音するという方法があります。そうすれば録音するために参考書などを音読するという行為そのものが勉強になり、一石二鳥です。資格試験ではなくても一般的なリーダーシップ、ビジネスマナー、営業能力、マーケティング、経営戦略などといった内容のものもあります。書籍に比べるとちょっと高価ですが運転しながら学べるので時間的価値は十分あります。筆者はカセットテープとCDで千本は聞いたと思います。

さくらニュース 15年 7月号 ノーベル賞

2016年10月12日 / さくらニュース

ノーベル賞と日本人

 

昨年、青色ダイオードの発明で日本人の赤崎教授・天野教授・中村教授の3人がノーベル賞を受賞しました。これで日本人の化学・物理学賞関係の受賞者が19人になりました。アジアで化学物理学賞(文学・平和を除外)を受賞したのは日本人だけです。GDPではすでに2位になり大きく発展した中国や家電製品などで日本を追い抜いた感のある韓国ではまだ一人も受賞者を輩出していません。昨年3人の受賞が決まった当時、中国・韓国の両国の国民はNETで「ノーベル賞のことで日本に負けているのは悔しい」「真似ばかりしているから受賞は無理」など残念がっていました。また、彼ら自身の自虐的な意見が多く流れていました。産業製品で中韓の多くの商品が量的には日本製品を凌駕しており、特に中国国民は世界の工場と呼ばれるまでになっているから悔しいのでしょう。ではなぜ、それだけ工業力のある中韓両国は化学物理学賞を受賞していないのでしょうか。多くのマスメディアなどがその理由を次のように伝えています。
・中韓両国は短期間に経済成長を達成させようとするので基礎研究など成果が出るまで長時間かかる分野に投資はできないし、しない。
・家電などは日本のような先進国から専門家を招いて作らせるほうが短時間で結果がでるし経済的にも儲かる。
・また、ノーベル賞は対象になる研究を長期間にわたり徹底的に調査し間違いのない成果を受賞対象にしています。
ですから、その研究成果が出てから受賞までが十数年などという長期になります。よって中韓が経済成長した時期には基礎研究は発展していないということ が考えられます。このように今まで日本は中韓両国にノーベル賞獲得競争にアドバンテージをとってきましたが、「失われた20年」という言葉のようにバブル崩壊の時代あたりから短期間 に成果の出ない基礎研究は教育機関や企業も人・物・金の投資が激減していると言われておりますが、国が今後も化学物理分野に集中投資して継続的にノーベル賞を獲得するような政策 をとって欲しいと思います。こうしたことを個人の人生にあてはめて考えると以下のようなことが言えるのではないかと思います。
○多くのノーベル賞受賞者が言っていますが、自分の好きなことを見つけその研究に没頭する。つまり、自分のライフワーク的な仕事を見つけることが重要。
○長い時間をかけ価値あるテーマを継続して追いかける。中国のオーナー社長たちは儲かるビジネスがあると全く業種が違う分野でもすぐに進出することが多いと言われています。
○テーマが見つかったら、そのことに時間・お金・人脈など個人でも集中的に投資すること。