さくらニュース 18年 11月号 モチベーション

2019年1月7日 / さくらニュース

「見える化」でモチベーション?

モチベーションの10の法則の代表的理論の中に「テイラーの科学的管理法」というものがあります。アメリカのテイラーという学者は業務を明確にするため、まず工場内の作業を細かく分析しました。そして、それぞれにかかる時間をストップウォッチで計測する「時間研究」と、多数いる機械工の中でも特に熟練の人材の動きを観察し、効率的に作業を進めるための「動作研究」を実施します。これらの研究結果をもとに、一つ一つの作業内容や手順をマニュアル化し(標準化)、全工程を「見える化」することが、テイラー・システムとも呼ばれる科学的管理法です。つまり「見える化」で組織のモチベーション・アップが可能になります。営業でも経理事務・総務・配送でも相互に納期や目標に対して現状の進捗状況を表示、現状は遅れているからもっと頑張らなければと意識します。あるいは各工程のムリ、ムラ、ムダなどをグラフで表示するなどのことを行えばうちの部門は暇だから忙しい部門を手伝おうなどという気持ちになります。少なくとも日本人は他者とのチームワークを重視しますので、他者が困っていたら助けようという気持ちがあります。他者が困っている状況、溜まっている状態が分かれば協力しようという行動になるものです。問題(他者が困っている状況)はそれが分からなければ仕方ないのですが、分かれば、つまり見える化すれば協力するのです。また、営業の仕事であればあくまで営業マン自身の中で、顧客の個別の営業進捗状況が把握されているのが普通です。しかしながら、それらの進捗状況も「見える化」されて上司も周りからもどの程度進んでいるか分かれば、周りからの適切なアドバイスも可能となります。それだけではなく、営業マン自身も客観的に自分の仕事を見ることができるので、具体策を立てやすくなります。例えば、キーマンは誰なのか、会っているのか。

キーマンは問題点を解決しようとしているのか。デモは行っているか。こちら側の上司の同行訪問はしたか。提案書は説明しているか。関係部署には訪問しているか。担当者はニーズを認識しているか。予算はあるのか。等々を「見える化」していれば、自ずと次に行うべきことがセルフチェックで分かるというものです。営業マンの顧客の進捗状況の全情報の「見える化」は無理だと思いますが、重点客のみを「見える化」は可能だと思いますし、そうした一部の情報をPCで共有しグループ全員でチェックしあうのもいいことではないかと思います。今回のこの項の後半では営業部門中心に具体的に説明しましたが、前述のようにどの部門でも「見える化」は可能ですので実践してはいかがでしょうか。