「2016年10月」の記事

さくらニュース 16年 10月号 お金を儲けるのは良いことである 

2016年10月13日 / さくらニュース

お金を稼ぐのはいいことだ

 

このタイトルにはもちろん条件が付きます。良いことをしてお金を稼ぐという条件です。悪いこと、人をだましたり罪を犯したりしてお金を稼ぐのは悪いことです。しかし、仕事をしてお金を稼ぐのはいいことです。そもそもお金を稼ぐ、つまり仕事というのは他人の役に立って初めてお金をもらえるわけです。より多くのお金を稼ぐということはより多くの人の役に立ち、質的にも充分に役立つことで儲けるわけです。ですから、会社や個人がたくさんのお金を稼ぐのは、良い商品やサービスがお客様の役に立ったから儲かるということです。また、製薬会社が難病の新薬を開発し人の命を助けたというような場合も儲かるわけです。ハンディキャップ(障害)のある人は政治や社会の援助が必要だとは思いますが、健常者はお金を稼ぐべき、つまり社会の役に立つべきです。現代は貨幣経済社会ですが、大昔は物々交換経済の社会でした。その時代は農業をしている人は農作物を生産し、漁業をしている人は魚類を獲って互いのものと交換して経済が成り立っていました。自分で欲しいものを入手するためには、自分で何かを作るなり入手しなければ欲しいものを手に入れられませんでした。しかし、物々交換ではいろいろな不便があるので貨幣経済になりました。筆者が何を言いたいかというと、他者の役に立つようなことができないと欲しいものが手に入らない。つまり、仕事をしないと役に立つことができない。役に立たない人は食べられないという現実です。よく「世の中の役に立つ仕事に就きたい」という人がいますが、原則的にいえば役に立たない仕事はないといえます。人の役に立つという代表的な仕事と言えば医師ですが、その医師も自分の好きなプロ野球に感動し、応援するためにお金を払って観戦に行く人もいます。昔ジャイアンツの江川投手が「たかがプロ野球されどプロ野球」と評していました。そういう意味では映画や歌手も同じです。そう考えると前述のように社会に存在している仕事はすべて人の役に立つことと言えます。また、行動してもお金はもらうことのないボランティアという活動があります。ボランティアはそれなりの意味があります。経済力のない人、災害にあった人を助けるなどは非常に尊い事だといえます。その意味でボランティア活動は重要です。ただ、一般的にお金をもらう仕事ですと、責任が伴いますし、プロとしての仕事なのでより一所懸命にやるでしょう。さらには仕事を依頼する側、つまりお客様側も「貴方の商品やサービスにお金を払ってまでお願いしたいのです」ということなので責任も重いのです。ですから重い責任の仕事をし、お金を稼いでお客様や社会の期待に応えます。さらに重要なのは税金を払うという社会貢献をするので、二重の意味でお金を稼ぐのはいいことです。良い仕事をして、しっかりお金を稼ぎ社会の役に立ちましょう。

 

 

さくらニュース 16年 9月号 目標と計るだけダイエット2 

2016年10月13日 / さくらニュース

ビジネス目標と計るだけダイエット2

 

7月号では表記のテーマをダイエットの目標達成の観点から効果ある手法をお伝えしました。今回はそれをビジネスに応用する方法をお伝えします。前回はダイエットのために目標を意識することが重要だとお伝えしました。そのために毎朝毎晩体重を計り折れ線グラフに記録することをお伝えしました。つまり目標を毎日強く意識する点が、他のダイエット方法と大きく違うことです。目標を強く意識すれば、ダイエット方法は自分で考えるものということです。例えば外食ではライスや麺類を食べ初めから少なくして工夫をすることなどをご紹介しました。

 

さて、ビジネスではどのようなことが重要かをお伝えします。目標はどんな時に意識することが重要でしょうか?年初・月初・週初め・毎朝・人気講師の林修先生ではないが「今でしょ!」。年初に立てた目標も二日目に目標を忘れた、という笑い話があります。ベンチャー企業で成功した経営者の特徴ある行動の一つに、目標を紙に書いてよく見える壁に貼る、というものがあります。つまり、起業したような、かなりやる気ある人でも立てた目標を忘れることがあります。また、目標を意識しているだけでなく、達成途上でその時々の目標との差を意識することが重要です。例えば年間1200万円の粗利目標を設定したときは毎月100万円、毎週約25万円、一日約5万円というように細分化して達成途上でチェックする。さらにはその目標を達成するための具体策の目標も重要です。例えば営業目標であれば訪問件数目標、単なる件数ではなくデモ件数の目標などのプロセス目標です。それらの目標の日々の進捗状況が意識されていることが重要です。そのために自分自身でそれをやれる人は問題ありません。やらない人には、例えば日報にA訪問件数目標と実績、B当日までの累計目標と実績を書かせれば少なくとも毎日目標を意識することになります。すでにPCやスマホの日報の仕組みを構築している会社では累計は自動的に計算されるようにし、当日までの累計の結果数字に対して達成率が出るようにします。筆者は大手企業の営業マンの経験があり、コンサルとしては中小企業をみてきました。正直なところ大手と中小の社員ではこの目標意識の差は非常に大きいものです。大手の工場では大きなデジタル式の看板がありその日その時間の生産量と目標が表示されていたりします。また、進んだ中小企業のある販売会社ではスマホの画面に随時その時点の販売目標に対する各自の目標達成率が表示されるソフトを導入しています。そのスマホの画面を各自が午前中に5回午後に5回チェックするように指示されていてそのチェックをやっているかどうかが分かる仕組みになっています。この仕組みを導入してから全国数百の販売店でNO1の実績を出せるようになりました。このぐらいの目標管理が重要です。

さくらニュース 16年 8月号 徹底的に考える 

2016年10月13日 / さくらニュース

アイデアは徹底的に考えると生まれる

 

ミシンを発明したシンガーはどのようにミシンを発明したか、のエピソードが面白いのでご紹介します。ミシンを発明するときに難しかったのはそれまでは、針の穴は後端、つまり針の尖っている側と反対側についていました。したがって針を布で刺した後、針先をUターンさせてまた、布に刺さなければならないと考えたのです。その方法で縫うのは非常に困難でした。しかし、ミシンの生まれる前までは布を縫う作業と言うのは前述のように針の糸は針の後端の穴に通すというのが常識。その先入観のため、針の先端に穴を作るという発想が生まれませんでした。それでもシンガーは長い間徹底的に考えました。そんなとき、彼は夢を見ました。野蛮人に槍(やり)で殺されそうになる夢でした。その槍の先端には穴が開いていたのだそうです。その時目が覚め針の先端に穴を開けるアイデアを思いついたそうです。そうすれば針の先端に糸を通し、布を突き刺して下糸を絡ませ引き揚げて縫うという作業ができるという発想になりました。ここで重要なことは何か解決策は無いか徹底的に考えたことです。徹底的に考え抜いたから槍の先端に穴が開いていたことがヒントになったのです。徹底して考えなかったらこのヒントを見逃していたでしょう。

 

鉄道の駅の自動改札機を発明した研究者は切符が機械の中を真っ直ぐに通らなくて困っていました。切符はいくらやっても曲がって送られてしまい詰まってしまいました。ある時、自分の趣味の釣りで川面を見ていて、枯葉が流れて石にぶつかり方向が修正されていたのに気づきました。その瞬間、切符の流れを修正できるヒントを見つけたそうです。この場合も徹底的に考え抜いて、趣味の釣りに行ったとき川の流れと枯葉と石で発明のヒントが見つかりました。これも切符の流れの修正方法を徹底的に考えていたからこそアイデアが見つかったのでしょう。そうでなければ、流れる枯葉の気づきを得られなかったと思います。かの有名な物理学者ニュートンも万有引力の法則で同じだった訳です。引力のことを徹底的に考えていた時に木からリンゴが落ちるのを見て万有引力の法則を発見しました。これも引力のことを徹底的に考えていなければ一般人のように、ただ「ふうんリンゴが落ちたな」と見過ごしていたと思います。筆者自身もサラリーマン時代、営業をしていたある時期に目標達成が非常に困難で、それでも絶対目標達成したいと思い徹底的に考えました。その時にテレビで時代劇を見たおりに、巻紙の手紙を見てヒントを得ました。筆者は長さ約2メートルの巻紙手紙のDMを作成し見込み客に30数通郵送しました。それが功を奏し5件受注し非常に困難な目標を達成できました。徹底的に考えることで普段見ている何気ない風景が大きなヒントになり目に飛び込んでくるようになります。

さくらニュース 16年 7月号 目標達成と計るだけダイエット1 

2016年10月13日 / さくらニュース

ビジネス目標と「計るだけダイエット」1

 

筆者は20年ほど前と数年前の2回、各々3KG・5KGのダイエットを成功させました。2回とも食事を中心にしたダイエットで、20年前は主に野菜と鶏肉中心で、毎日洗面所の壁に貼った体重の折れ線グラフをつけてダイエットに成功しました。数年前は同様にグラフをつけて米飯の量を半分に、一日一食はコンニャク中心にして成功させました。ダイエットを真剣にしたいという方は、この計るだけダイエットをお勧めします。NHKの人気番組「ためしてガッテン」でも勧めていました。体重グラフはこのNHK「試してガッテン」のHPからダウンロード・プリントアウトして利用されるといいと思います。今や無数と言えるほどのダイエット本が出版されていますが、計るだけダイエットが「ためしてガッテン」で取り上げられたのも本当に効果あってのことです。筆者も成功させています。なかなか成功しないダイエットが「計るだけダイエット」でなぜ成功するのかを考えてみます。番組でも私の意見も同じですが、体重グラフを毎日朝晩二回つけると自分の減量目標体重と現状との差を一日二回意識することになります。この体重を意識することがダイエットの大きな原動力になっています。ダイエットに対する意識革命と言ってもいいくらいです。体重を意識することによって、野菜中心・コンニャク中心の食事、など工夫することになる。外食の際は例えば、定食を注文した折にはライスを半分のところに箸で線を入れ、そこまでしか食べない。ラーメンなどは小どんぶりを借りて初めから麺を分け食べる量を少なくして残すなどの工夫をする。あらかじめ、そうしておけば全部食べようとする食欲も薄らぎます。そうした努力や工夫も毎日二回体重計に乗りグラフをつける習慣にしたからです。そうすると「うまくいってる」と思い、成果が出るので目標達成の自信もつきます。このダイエットの成功ポイントは二つあります。第一はなんと言っても一日二回ダイエットを意識することでダイエットを潜在意識化していることです。第二はこれを意識することで生まれる目標達成の工夫です。前述の野菜やコンニャク中心の食材、外食のライスを半分にする。ラーメンの麺を半分にするなどの工夫です。しかしながら、簡単ではないのがそこまで行う意識を高めること、つまり目標達成を本気でやろうとする決意です。ビジネスでは売り上げなどを月単位の目標を毎週・毎日に落とし込み、進捗状況のグラフをつければ本気になります。ただ、一般社員でやる気ある人はそのまま自らやればいいことですので問題なしですが、簡単でないのは上司が部下に指導的に行わせることです。組織にはやる気ある社員とそうではない社員と混在しているのが普通です。その問題解決は次回に具体策を述べますが、上司の方はその組織の解決策を上司自ら考えてみて下さい。

 

 

【ヘのかつば】河童とは関係なかった

 

今ではテレビやマンガの怪獣に押され気味だが、古来より日本人に親しまれてきた想像上の動物が河童。この動物(?)、さすが人気者だけあって、さまざまな伝説があり、中には、「河童の庇をかぐと気が狂う」といった奇抜なものもある。た易いことを「へのかっぱ」というのは、河童の庇が水の中を通ると、臭いが抜けてしまうからという説もあるが、どうもこれは屈理屈くさい。この言葉、河童ファンには気の毒だが「木端の火」が変化したものという見方の信用できる。木端とは木くずのことで木くずにつけた火はすぐ消えてしまう。これならとるに足らぬつまらぬ事を「かっぱのへ」「へのかっぱ」というのも理屈が通る。

さくらニュース 16年 6月号 戦略と戦術 その2

2016年10月13日 / さくらニュース

仕事は戦略的に その2

 

前回は戦略について太平洋戦争とIBMの日本進出の事例をお伝えしました。今回はさらに分かりやすいビジネス戦略をお伝えしたいと思います。筆者がサラリーマン時代に所属していた富士ゼロックス(FX社)のコピー機業界のお話をします。米国で発明されたゼロックスのコピー機は開発費用が莫大だったため機械を非常に高価にしなくてはなりませんでした。しかし、高価にすれば多数売れません。そこで機械を売らずにレンタルにするアイデアでビジネス展開をしました。レンタルにするだけではなく、今は多くの人が知っているコピーカウンター料金システムにしました。顧客がコピーをとればとるほど利益が上がるシステムにしたわけです。コピー量の多い顧客は大企業や官庁です。ですから日本のFX社は戦略として大手企業を攻略し大成功しました。ただ、レンタル価格が高額でしたので営業マンのレベルが高くないと売れません。そこで自社営業マンを教育し直販で高度な営業手法で成功しました。これが戦術の一つです。国産後発コピー機の企業はリコー(R社)やキャノン(C社)でした。両社は後発なので先発FX社とは違う戦略をとりました。大手顧客は先発FX社が独占状態でしたので、中小企業に戦略目標を定めました。大手と中小ではニーズや販売手法に大きな違いがありました。大手のニーズはコピー量が多いのでコピー速度が速いことや信頼性(故障が少ない)、コピー質が重要でした。逆に中小企業のニーズは安価小型で速度が遅く多少故障があってもコピー量が少ないので大手ほどは問題なしでコピー質も大手ほど気にはしません。このように大手と中小では大きくニーズが異なります。その他、違うのは台数需要の市場の違いです。大手は一台当たりのコピー量は非常に多いので高速機がニーズです。ただ台数は多くは必要ありません。逆に日本の中小企業は小型機が必要であり、企業数が非常に多いので台数が多く必要です。量産すると同時に大手市場とは違い営業マン数がケタ違いに必要です。そこで後発の2社は直販せず、特約店戦略をとり地方の中小事務機販売店を活用する販売戦略をとりました。R社やC社はその戦略が成功し中小企業市場で一定のシェアを確保しました。FX社はその状態を指をくわえてはいません。中小市場も攻略します。そのため小型機も生産、販売も全国に販売会社を作り、特約店も開拓、契約し営業マンの人数も確保するようになります。逆にR社やC社は高速コピー機も開発し徐々に全面戦争の状態になってゆきます。しかしながら元々の市場で得意だったFX社は相変わらず大手市場に強みを発揮しています。同様に同社の強みだった営業能力を教育する社員教育の別会社(富士ゼロックス総合教育研究所)も作ることになりました。こうして考えると企業の戦略は非常に重要だと分かると思います。

 

さくらニュース 16年 5月号 戦略と戦術1

2016年10月13日 / さくらニュース

仕事は戦略的に その1

 

戦略とはよく聞く言葉だと思いますが、的確に理解しているビジネスマンは多くないようです。重要な考え方なので解説しましょう。戦略とはある辞書によると「勝つための方策」となっています。当然これだけでは理解しにくいと思いますので具体例をいくつか示しましょう。日米が戦った太平洋戦争で日本は最初の真珠湾攻撃が奇策でした。米軍の太平洋艦隊の母港をつぶし真珠湾を使えなくすれば、米海軍とはしばらくの間は有利に戦えるという作戦でした。しかし勝利までの道筋は見えないというのが一般論です。逆に米軍は戦略として東京・大阪間を中心とした日本の工業地帯を爆撃すれば兵器が製造できなくなるので勝つ道筋がつけられると考えました。そこで戦術です。戦術とは戦略目標を達成するために、どのような戦い方をするのかという具体策です。米軍はその戦略つまり工業地帯を爆撃する戦術としてまず、日本本土を空爆するための基地を占拠することを考えました。そこでグアム・サイパン次に沖縄を攻略し本土攻略の空港を占領したのです。さらにはその空港からB29という爆撃機を使い日本本土を攻撃しました。B29は戦略爆撃機という呼ばれ方をしていますが、使い方は戦術という武器のことです。B29の特徴は1万Mの超高空を飛ぶので、当時の日本軍の戦闘機では対応できません。また、大型なので多くの爆弾を搭載可能、沖縄から日本本土までの長距離を飛ぶ事ができます。当時の日本はレーダーもないのでB29が飛んできたら目視で対応することになります。それでは1万Mの超高空まで戦闘機が上昇するには時間がかかりすぎるので超高度飛行に対応できません。高射砲は弾が届きません。このような戦略・戦術によって米軍は非常に有利に戦い、日本に勝ちました。このような戦略的考え方でビジネスの成功を考えるとどのようになるか考えてみましょう。IBMが日本に進出するときにとった戦略というのは、地方を攻める際は各地のトップ企業から攻略するということでした。地元中小企業は地元有名企業がコンピューターを導入したなら安心と思い自社も導入したのです。コンピューターという当時まだ知られていない高価な機械だったので、一般の企業が手を出すには大きな懸念がありました。成功事例を作るためにも地方の有名企業が導入して効果があったとすれば中小企業に広まるのも早かったでしょう。当然コンピューターを導入した具体的成功事例の効果をセールスポイントにしてプレゼンした事でしょう。その戦略は功を奏し成功しました。戦術はどうしたのでしょうか?これは筆者の想像ですが、中央で地方のボス企業に大きな影響を持つような大企業に社長の紹介を依頼したのではないでしょうか。その結果日本IBMは日本で大成功しました。

さくらニュース 16年 4月号  仕事は憂鬱か

2016年10月13日 / さくらニュース

仕事は楽しいか憂鬱(ゆううつ)か?

 

「憂鬱でなければ仕事じゃない」(見城徹氏著)この本は何年か前にベストセラーになりました。仕事は楽しくすべきだ、という風潮の中で逆のことを言っています。ただ筆者は表裏一体のものという感じがします。そもそもレベルの高い仕事は簡単ではなく、自分にとって簡単ではない仕事はうまくいかないのが普通です。仕事がうまくいかない時は憂鬱になります。憂鬱というのは、例えばクレーム処理や営業マンでいえば目標達成が困難な状況。他にも、納期に間に合いそうもない仕事をやっているときなどです。本の著者見城氏はこのような状況のときに読者を勇気づける本だと言っており、筆者も同意見です。困難な状況があるのは仕事として当たり前ですから憂鬱になります。そこから逃げずに立ち向かっていこう、ということです。誰だって困難な状況の中で頑張っていますよ、ということなので勇気が湧いてくると思いませんか。ただ、困難な状況を楽しくするにはどうしたらいいのかが重要ですね。あるコールセンターの話ですが、難しいクレーム処理を専門に行う特命チームがあるそうです。そのチームの人たちの手当ては一般の社員よりほんの少し良いだけで、その困難さに比べると手当ては割に合わない仕事だそうです。それでも社内公募すると応募者は出てきます。なぜだと思いますか?結論から言うとそれは仕事のやりがいということです。困難なクレーム処理は一般担当者から前述の特命グループ社員に交替します。その際の会話は社員教育のために室内のスピーカーで流され生の音声で他の社員と会話の状況を共有します。困難なクレーム対応は長時間になります。他の社員が長時間聞いていて、トイレや休憩に行き、帰ってきても、まだ延々と対応していることも多いそうです。しかし、最後にお客様が「よく分かった。納得した」と了解してくれて、電話が切られたときにはまわりの社員はスピーカーで聞いているので「良くやった」という意味で大きな拍手でたたえるそうです。そうした達成感が特命チームのやりがいだそうです。このようにスピーカーで流れている話を聞いた社員が感動し特命チームを希望することも多いそうです。筆者はこの具体的な話を聞く前は「ええ!なんでそのクレーム対応の仕事に希望する人がいるの?」と思いましたが、その話を聞いて納得しました。本当にどんな仕事でも意味あることですし、やりがいもあるんだなと思いました。困難な状況を乗り越えた時に人間的成長があるのですね。人には成長の欲求という欲もあるので、憂鬱という嫌な状況も前向きに受け入れるといいことがあるでしょう。

 

さくらニュース 16年 3月号  全国平均  

2016年10月13日 / さくらニュース

全国平均などにとらわれるな

 

いろいろな販売のデータ例、車、住宅販売、生命保険等々、全国の市場順位が発表されます。長年生命保険の業界では1位だった日本生命から2015年春、第一生命が1位になりました。(その後M&Aで順位が再逆転)第一生命として1位は悲願だったでしょうから喜びに浸ったことでしょう。生保業界で長年1位は日本生命、2位は第一生命でしたが、その間でも宮城県では第一生命がトップだったとのことです。同様に以前から車の販売では1位はトヨタ、2位日産というのが長年の常識でした。しかしながら秋田県ではトヨタと日産が交互にトップ争いをしていた時期があったそうです。滋賀ダイハツは滋賀県で自動車の販売台数がトヨタ日産を押さえて同県内で長年トップだそうです。筆者が20数年前在籍していた宮城県のコピー機販売業界でも同様のことがありました。全国では富士ゼロックス、リコー、キャノンの3社で全国シェアー(市場占有率)の約80%程度を占めていました。4位以下のシャープ、ミノルタ(現在はコニカミノルタ)、ミタ(現在は京セラミタ)、東芝などが残りの約20%を分けていたという状況でした。つまり4位以下のシェア3%-7%のメーカーがトップになることなど不可能と思えたのです。しかしながら、宮城県の当時の涌谷町、栗駒町ではミタがシェアトップだったのです。全国でのトップシェアクラスのブランドと一桁違うのに地元ではトップであるということは大きな驚きです。何か大きな理由があるはずです。筆者の知っている情報だけでもこのような地域の情報があるのですからより多くの業界や地域でもあることだと思います。これらの地元のシェアトップの企業が他地域とは異なる状況で共通している事とはなんでしょうか? それはその地域のその商品を扱うトップの意思が強いかどうかということです。全国平均では2位以下の商品であってもその地域の経営者の意思でトップになることができます。前述の宮城県の涌谷町(人口17000人2015年現在)という非常に小さなコピー機販売の会社では社長一人で営業していたようなものです。ですから、普通の販売会社の一人の営業マンであっても自分の担当地域ではトップになることは可能だということができます。ナポレオンの格言に「一頭のライオンに率いられた百匹の羊の群れは、一匹の羊に率いられた百頭のライオンの群れにまさる」という格言があります。つまり部下がごく普通の能力の集団であってもリーダーがトップになるのだという強い意志を持ち、トップになれると信じることが重要だと思います。また、個人の営業マンであっても特定の小さな市場でトップになるのだという意思さえあれば、トップになることは可能だということが事実で示されていると思います。

 

 

さくらニュース 16年 2月号  とにかくやってみよう

2016年10月13日 / さくらニュース

やってみることが重要

 
何か新しいことを始める際になかなかスタート しない人がいます。始める前にいろいろ考えすぎてスタートできないのです。こんなことしたらお客様はから嫌われてしまうのではないだろうか?下品に感じられるのでは?など勝手に憶測し動かないのです。慎重さも重要ですが、新しくやることは憶測で考えても結果はどうなるか分からないことが多いものです。例えば新製品の市場調査です。その昔電卓が無かった時代に電卓の市場調査をしました。個人向け電卓(6ケタ)はいくらだったら購入しますか、との質問に10,000円以下なら購入という回答が圧倒的だったことがありました。しかしながらそれでは採算に合わないので、その商品を12,800円で売り出しました。市場調査結果より大幅アップの価格でも爆発的に売れました。逆のケースもあります。ある商品で市場調査では20,000円なら購入するという結果が出たので20,000円という価格にしたがほとんど売れなかったというようにです。消費者の実際の購買行動は商品を見て触って価格をどのように感じるかが重要です。実際に売ってみないと分からないことが多いのです。このようにあれこれ考える前にやってみることを重要視すべきです。考えるだけでは何も始まらない、動いてみないと結果が出ないということです。事前準備の慎重さは大切ですが、ある程度の準備ができたらテスト的にトライしてみることです。その結果失敗だったら別の方法を考えてみる。そういう試行錯誤によって正解が出ると思います。筆者の経験に照らし合わせてみるとサラリーマン時代に自社の特約店向けに営業に関する営業情報レターを毎月発行するようにしました。これも考えすぎるタイプの人は「自分みたいな若造が偉そうに思われるのではないか?理解しやすい文章が書けるのか?」と思っていると次のような行動になってしまいます。もう少し経験を積んでから始めよう。文章が上手になってから始めようなどということです。筆者はその時は普通の人の準備が100点とするとまだ50点というような時点で営業情報レターのスタートを切りました。この50点の時点で始めるメリットは営業レターを発行しているうちにその経験自体で文章力が成長しました。さらには自分の経験だけではなく、より多くの本や雑誌を読み情報収集し教養も広がったと思います。さらには特約店さんから「役に立つ情報を感謝しています。あの情報で勇気をもらっています」など感謝の言葉をいただき、筆者の自信にもなりました。現在この文章を書いているのもそのときの経験が生きたと言えます。あのときにスタートしていなければ、その後のビジネス雑誌への連載、自著の出版もなかったと思います。考えるだけではなく、実際に動き出すことは非常に重要な意味があると思います。

さくらニュース 16年 1月号  素直な心

2016年10月13日 / さくらニュース

素直な心と積極性でいい人生になる

 
「素直な心」というのは故松下幸之助氏(松下電器・現パナソニック創業者)も非常に重要な人間の資質であると多くの著書にも書かれていることです。「素直な心」というと何か従順でおとなしいというイメージが先行すると思いますが、決してそういうことではありません。むしろ積極的な考え方です。なぜならば、例えば何かを他者からアドバイスをされた時に、それが自分は知らなかった、あるいは気付かなかった事だとしたときに、素直に受け入れてみるということです。多くの人はそうした時にいろいろな理由をつけて受け入れないことが多いようです。その理由とは行動する前に「私にはできない」「そんな能力はない」「恥ずかしい」「忙しくて時間がない」「お金がない」等々いろいろです。実行する前に実行できない理由づけをするのです。意識的、無意識的に否定的に考えてしまいます。ある時、筆者がセミナーで人の話を良く聴くロールプレイ(積極的傾聴法)を行った最後に「是非職場ですぐに実行してきてみてください」と伝えました。その時の研修後のアンケートでは「他者の話をよく聴くことの重要性やその難しさをよく理解できました。すぐに実行したいと思います」などと多くの受講者が書いていたのです。しかしながら一ヶ月後の次の研修の機会に「積極的傾聴法を実際にやってきた人挙手してください」と言ってみると挙手した人は15%ぐらいだった事があります。なぜ、実行しなかったかその理由を聞くと前述のような言葉でした。そうした事があった後、筆者はフォロー研修がある場合には次のような対策を打ちました。「次の研修では傾聴法の実施状況の報告をしてもらうので一週間以内に他者と個別に機会を作り、その結果を報告書にしてください。以下がそのフォームです」と。フォロー研修が計画されないスポットの研修では研修事務局に前述のフォームを渡し「事務局で収集し実行度を高めてください」とお願いしました。ここまでやるとようやく実施度が高まります。 そしてこのようなことを一度体験すると自分自身に自信がつきます。以上のような事は他者から管理されてやることですが、逆にここまでやらなくても自己管理でいいことは実行すべきでしょう。それが主体的に生きるということだと思います。もし、ここで本当に「素直な心」を持つ重要性が理解できたらお勧めしたいことは即行動することです。人間は残念ながら「うーん。なるほどよく分かった」と思っていても時間が経過すると感動したこと納得したことでも忘れるものです。即行動するためには手帳の行動計画に書いたり、パソコンの画面のわきにポストイットでメモを張り付けたりするといいでしょう。是非「素直な心」を持ちましょう。