「2018年05月18日」の記事

さくらニュース 18年 5月号 非営業職の目標値

2018年5月18日 / さくらニュース

非営業職の数値目標

ビジネスで目標が重要なことは誰でも知っているのではないかと思います。前回、前々回に競争心とモチベーションで述べたように、他者との競争に勝ちたいという思いは多くの人にあると思います。適切な数値目標があれば達成したいと思うのは人間として自然でしょう。ところが、営業以外の仕事では目標を作るのは無理だと考えるリーダーが多いようです。
総務事務、研究開発、経理、企画、人事、等々の業務は確かに数値目標が立てにくいでしょう。しかし、達成感などのモチベーションは重要であることは明らかなので数値目標は立てたほうがいいのは間違いないでしょう。非営業職の目標は立てられないとあきらめないで、直接の目標値ではなく、代用の目標値でもいいと思いますので考えてみて下さい。例えば、人事の採用の仕事であれば、人数と言うことになります。ただ、採用する人が誰でもいいということではなく、筆記テストで合格点以上の採用人数など、ある程度質を考慮した上での人数と言うことになります。
総務事務職では月次決算の納期を目標値にする。自分の書類の記入ミス件数、事務を経由する書類、つまり他部門の書類ミス件数の削減。総務では社内のコミュニケーションの促進などが求められていますので社内誌の発行や社員のアンケートによる社内誌の満足度調査を目標値にすることも考えられます。目標値について過去の経緯をみると、例えば、それまでは食品の甘さを計ることはできませんでしたが、糖度計を作りました。また、食品メーカーは料理については味を計る計器を作りました。このような計器を発明する前は何人かの人が試食したりして決められていましたから、代用の目標値を作ればいいのではないかと思います。

その他にも接客・電話対応なども目標を数値化しにくいものですが、それぞれコンテストなどを開催するなどの工夫をしている会社も多くあります。そうした会社ではそれがあるためにモチベーションが上がっています。筆者が行っていた社員教育の講師という仕事も受講者アンケートの評価、リピートオーダー数などが目標値でした。

さらに重要なのは今まで示した結果的な目標値をどのように達成するかというプロセスの目標値も重要なことです。例えば、特定の研修会に参加、練習回数、関連ビデオを視聴する、本を読む、というようなことです。結果目標とプロセス目標を設定し、上司としては月一程度でその達成状況をチェックすれば、本人としてもやりがいが出るでしょうし、その目標値を達成すれば評価する。そうすれば達成感もでるでしょう。そうしたことにより人間的な成長も図れるということになります。非営業職でも目標値を作成し、社員の成長と業績の両立を目指しましょう。

さくらニュース 18年 4月号 競争心2

2018年5月18日 / さくらニュース

競争心とモチベーション 2

前回は競争手法を具体的に述べました。今回は筆者が一次卸の営業部長だった時代の経験を述べます。筆者は卸先の特約店さんの営業マン向けに年2回、3か月間の販売キャンペーンを行っていました。その具体策として、毎週実績をグラフにしてランキングをキャンペーンニュース(略CPN)として各店にFAX送信したのです。筆者がその方法を行うまで、各店の営業マンは、それまで競争環境がなかったため、CPNを新鮮に感じ、驚いたようです。
そのグラフは各店にポスターとして張り出され、各店の社長や事務関係社員らにも見られました。彼らは社内で営業マン以外からも励まされたり、関心を持たれました。
中にはA4のFAX用紙をA3に拡大して壁に貼る特約店もありました。他の販促策として営業マン向け集合研修も年4回ほど行っていましたので、各店の営業マン相互にコミュニケーションがとれていました。そうすると研修時には誰が1位で2位3位の順位は誰?いい意味での火花が散ることも多くありました。さらにCPNには筆者からのコメントも入れ楽しんでもらえるようにしました。
このようなニュースはありきたりの内容ですと、読んでもらえません。筆者はそれではつまらないと思い、面白いコメントを工夫して載せました。それらのコメントの例は(筆者自身のコメントではなく営業マン相互の仮想(ホラ)のやり取りとして載せます)「Aさんのコメント:Kさん今1位のようですが、私は今多くの見込み客を抱えているので来週は私が1位ですよ」「Bさんのコメント:キャンペーンの最終結果は僕が1位になっていることが目に見えています」などです。
日本人は一般的にウソのコメントを言ったり書いたりしませんが、筆者は勝手にウソコメントを書いていました。しかしこのような架空コメントも本音では半分くらい当たっており、営業マン相互は気にしていました。それで彼らはCPNを見るのを楽しみにしていたのです。キャンペーン終了後には仙台近郊の温泉リゾートホテルで表彰式を行い、相互に営業成果をたたえ合うような環境も作りました。そのときに営業マンは「部長は勝手なウソを書いて俺なんか社内で持ち上げられたり、へこまされたりで参っていますよ。だけど、ウソ情報でも、どういうわけか、やる気にはつながっていますね」というような意見が大半でした。各店相互には別々な会社です。共通の商品を扱っているだけの別々の会社ですが、同じ会社の社員より相互に仲がいいという営業マンも多くいました。すべての営業マンがCPNのコメントに乗ってくれるわけではなかったのですが、多くの営業マンは競争心を発揮していました。

競争環境を作ることは個々人の成長を促すためにも重要なことと思います。